走れメロス

Pitch accent notes

  • メロス is rendered Atamadaka めろす [1] and appears 76 times, one proper noun accounting for 14.2% of every Atamadaka word counted in the story. Its counterweight セリヌンティウス appears 15 times as Nakadaka [5] across seven morae, so the two names sit at opposite ends of the accent map.
  • 走る is Nakadaka はしる [2], and as a 五段 verb it keeps that drop through its 〜て/〜た forms: 走っ [2] occurs 10 times. The conjugated stems move it instead, to 走り [0] in 連用形 and 走ら [3] before 〜ない, while the imperative of the title itself, 走れ [2], appears exactly once in the entire text, at the climax 「走れ! メロス。」
  • 沈む is lexically Heiban [0], but the archaic 〜ぬ negation forces a drop: 沈ま is rendered [3] in all four occurrences of the story’s deadline refrain 「まだ陽は沈まぬ」. The same Heiban-verb-before-〜ぬ rule fires 9 times overall and ならぬ appears 13 times, making this text unusually dense in a pattern modern prose rarely triggers.
  • Bare 王 appears 19 times as Atamadaka おう [1], yet every compound built on it flattens to Heiban: 王城 おうじょう [0] 5 times and 王様 おうさま [0] 4 times. 暴君 is rendered Atamadaka ぼうくん [1] 6 times with Heiban [0] flagged as a common alternative, so the opening’s tyrant vocabulary forms a compact cluster worth inspecting.
Source text: 青空文庫 Pitch accent analysis: akusento parser
Legend
Atamadaka
Heiban
Nakadaka
Odaka
Kifuku
Accent drop
Devoiced
Rules applied
* Patterns are assigned based on the lexical pitch accent.
Rendered chapter

ロス激怒きどかなら邪智じゃ暴虐ぼうぎゃくのぞけれ決意ついロス政治せいじわかロスむら牧人ぼくじんふえつじあそくられど邪悪じゃあくてはいちばい敏感びんかんきょ未明みめいロス出発しゅっぱつじゅやっロス女房にょうぼう16じゅうろ内気いもう二人暮たりこのいもうむら律気ちぎいち牧人ぼくじん近々花婿むこむかえる結婚けっ間近まぢかなのロスそれゆえ花嫁よめ衣裳しょうやら祝宴しゅくえん馳走そうはるやっその品々じなそれからみやこ大路おじらぶらロス竹馬くばセリヌンティウス石工いるそのこれからつもりなかっからたのいるロスまち様子ようすあやいるまちあたりまえれどんだかかり全体ぜんたいけにさびんきロスだん不安ふあんみちしゅかまえねんうたっやかはず質問つもんしゅくびこたなかっらく老爺うやんどっと語勢ごせい質問つもん老爺うやこたなかっロス両手りょうて老爺うやからだゆすぶっ質問つもんかさ老爺うやたりはば低声ていせいずか

おうさまころ。」

ころ。」

悪心しんいるだれそんな悪心しんては。」

ころ。」

はじめおうさま妹婿いもうとさまそれから自身しん世嗣よつそれからいもうさまそれからいもうさま御子おこさまそれから皇后こうさまそれから賢臣けんしんさま。」

おど国王こく乱心らんしん。」

いいえ乱心らんしんございましん出来このごろ臣下んかここうたが派手くらいる人質とじとりめい命令いれい十字じゅうじかけころされきょ六人にんころされ。」

ロス激怒きど。「あき。」

ロス単純たんじゅんおともの背負そのそ王城おうじょういったちまち巡邏じゅんら警吏いり捕縛ほばされ調しらロス懐中かいちゅう短剣たんけんしまっロス

この短刀たんとうするつもり!」暴君うくんディニスれど威厳いげんそのかお蒼白そうはく眉間みけんしわきざうにかっ

暴君うくんから。」ロスわる

おまえ?」憫笑びんしょう。「仕方かたじゃおまえわし孤独こどくわか。」

!」ロスいきり反駁はんば。「ここうたがもっ悪徳とく忠誠ちゅうせいうたが。」

うたが正当せいとう心構こころなのわしおしくれえたちここあてない人間にんげんもともと私慾しよくかたまりては。」暴君うくん落着つぶほっと溜息ため。「わしって平和へいわのぞ。」

んのため平和へいわ自分じぶん地位。」んどロス嘲笑ちょうしょう。「ころ平和へいわ。」

下賤げせんもの。」かおげて。「んならかえるわし腹綿はらわた奥底そこおまえってまにはりからって。」

ああ悧巧りこう自惚うぬぼわたしちゃんと覚悟くご命乞いのちごけっない、――」ロスあし視線しせん瞬時しゅんじためらい、「わたしさけかけつもり処刑しょけい三日間みっかん日限げんあたくだたった一人いもう亭主いしゅやり三日みっかわたし結婚けっさせかならここ。」

かな。」暴君うくんしわがわら。「とんでも小鳥ことり。」

。」ロス必死ひっし。「わたし約束そくまもわたし三日間みっかかんだけくだいもうわたしかえそんなわたししんないならばよろこのセリヌンティいう石工わたし無二友人ゆうじんあれ人質とじここわたししまっ三日みっか日暮ひぐれここなかったらあの友人ゆうじんくだそうくだ。」

それ残虐ざんぎゃく気持きもちそっと北叟笑生意気なまいきどうせないきまっいるこのだま面白おもしそう身代みがわおと三日みっかころ気味これからしんわしかなしいかおその身代みがわおと磔刑はりしょなか正直しょうじきものいう奴輩やつばらやり

その身代みがわ三日みっか日没にちぼつおくれその身代みがわっところちょっとくれおまえ永遠えいえん。」

おっしゃ。」

のち大事だいじったらくれおまえここ。」

ロス口惜地団駄んだなくなっ

竹馬くばセリヌンティウス深夜んや王城おうじょう暴君うくんディニス面前めんぜんねんぶりロス一切っさい事情じじょうかたセリヌンティウス無言むごん首肯うなずロスあいだそれかっセリヌンティウスロス出発しゅっぱつ初夏しょ満天まんてんほし

ロスその一睡いっすいじゅみち到着とうちゃくあく午前ぜんのぼ村人むらびたち仕事しごとめてロス16じゅうろいもうきょかわ羊群ようぐんよろ疲労ひろう困憊こんぱい姿がたおどそううる質問つもんびせ

なんでも。」ロス無理わら。「用事ようじまたけれあすおまえ結婚けっげるよか。」

いもうあか

うれ綺麗れい衣裳しょうこれからむらたちらせ結婚けっ。」

ロスまたろよろある神々がみ祭壇さいだんかざ祝宴しゅくえん調ととなくゆかたお呼吸こきゅうらいねむしまっ

だったロス花婿むこおとそう事情じじょうから結婚けっ明日くれ婿牧人ぼくじんおどそれいけないこちらいまなん仕度たく出来ない葡萄ぶどう季節せつまでくれロス出来うか明日くれ婿牧人ぼくじん頑強がんきょうなかなか承諾しょうだくくれない夜明よあまで議論ろんつづけやっと婿結婚けっ真昼まひるおこなわれ新郎しんろう新婦んぷ神々がみ宣誓せんせい黒雲くろくもおおやがて車軸しゃじくような大雨おお祝宴しゅくえん列席れっせき村人むらびたち不吉きつかんそれめい気持きもちいえんむん陽気ようきうたいロス満面まんめん喜色しょくたたらくあの約束そくわす祝宴しゅくえんいよやか人々びと豪雨ううまったなくロス一生いっしょうこのままこここのたち生涯しょうがいくら自分じぶんからだ自分じぶんままロス鞭打むちいに出発しゅっぱつ決意ついあす日没にちぼつじゅうちょっと一眠ねむそれから出発しゅっぱつかんその小降こぶしでもこの愚図愚図ずぐずとどかっほどおとにも未練れんじょういう今宵こよい呆然ぼうぜん歓喜んきいる花嫁よめ近寄

おめでとうわたししまっからちょっとめんこうねむたらかける大切たいせつ用事ようじわたしおまえやさしい亭主いしゅからけっさびおまえばんきらいうたがそれからおまえそれいる亭主しゅあいだんな秘密ひみつてはおまえそれおまえぶんおとなのからおまえそのほこいろ。」

花嫁よめ夢見心地ゆめみこち首肯うなずロスそれから花婿むこ

仕度たくたがいさまわたしにもたかいっいもうつじほかなに全部んぶあげもうロスおとうくれ。」

花婿むこロスわら村人むらびたちにも会釈しゃく宴席えんせからつじ小屋ごやもぐりうにねむ

あく薄明はくめいロス南無三むさん寝過ねすいやだまだ大丈夫だいじょうぶこれから出発しゅっぱ約束そく刻限げんまで十分じゅうきょ是非ともあの信実んじつそんとこそうわらはりあがやるロス悠々ゆう身仕度たくはじめいくぶん小降こぶいる様子ようす身仕度たく出来ロス両腕りょううで雨中ちゅうはし

わたし今宵こよいころされるころされる身代みがわ奸佞かんねい邪智じゃはしなけれそうわたしころされるから名誉いよらばさとロスかっちどまりうにいと大声おおげて自身しんがら横切よこもりくぐり隣村となりむらのぼろそろロスひたいこぶしここ大丈夫だいじょうぶはや故郷きょう未練れんいもうたちっと夫婦うふだろうわたしなんのかりはずまっ王城おうじょうそれそんな必要つようゆっあるちまえ呑気のん小歌こうたうたらぶらろそろ里程りていなか到達とうたつ災難さいロスたととまっ前方ぜんぽうきのう豪雨ううやま水源すい氾濫はんらん濁流だくりゅう滔々とうとう下流かりゅうあつ猛勢もうせい一挙っきょ破壊はかいどううとひびあげる激流げきりゅう木葉っぱ微塵みじん橋桁はしげた茫然ぼうぜんながめままた繋舟けいしゅうのこさらわれ渡守わた姿がたないながいよくれうにいるロス川岸かわぎしうずく男泣おとこながらウスげて哀願あいがん。「ああしずなが刻々こっこく太陽いよう真昼時まひるどきあれしずしま王城おうじょう出来なかったらあの友達ともだちわたし。」

濁流だくりゅうロスさけせせらますおどろうあおそう一刻いっこロス覚悟くごおよよりほかああ神々がみ照覧しょうらん濁流だくりゅうまこと偉大いだいこそ発揮はっきロスんぶ百匹ひゃっ大蛇いじゃうにのた相手あい必死ひっし闘争とうそう開始かいし満身まんしん渦巻きずるながんのこれめくらっぽう獅子奮迅ふんじん姿がたいに憐愍れんびんくれながされ見事ごと対岸たいがん樹木じゅもくすがり出来ありがロスうまうにきな胴震どうまたいそ一刻いっこむだ出来ない西にしかたむいるいぜいあら呼吸こきゅうがらとうのぼりのぼりほっと突然とつぜん一隊いったい山賊さんぞくおど

。」

わたししず王城おうじょうけれ。」

どっはな全部んぶ。」

わたしのちほかなにそのたったのちこれからくれ。」

そののち。」

ては命令めいれいここわたし。」

山賊さんたち一斉いっせい棍棒こんぼうロスひょからだ飛鳥身近みぢか一人おそいかその棍棒こんぼううば

正義いぎ!」猛然もうぜん一撃いちげきたちまち三人さんなぐものっさととうくだ一気っきとう流石さすが疲労ひろうから午後灼熱しゃくねつ太陽いようまともかっとロス眩暈かんこれてはろよろ二、三にさんいにひざのぼ出来くやしああ濁流だくりゅうおよ山賊さんぞく三人さん韋駄いだてんここ突破とっぱロス勇者うしゃロスここなくな情無なさけあいおまえかりやがてころされけれおまえ稀代たい不信しん人間にんげんつぼ自分じぶん全身ぜんしんはや芋虫ほど前進ぜんしんかな路傍ろぼう草原そうげんころ身体からだ疲労ひろう精神いしんともやられるどうでもいう勇者うしゃ似合不貞腐根性んじょうこころ巣喰わたしこれほど努力りょく約束そくここみじんもかっ照覧しょうらんわたしせいぱいなくなるまでわたし不信しんああならわたし真紅んく心臓しんぞう信実んじつ血液えきいるこの心臓しんぞうやりれどわたしこの大事だいじわたしよくよく不幸おとわたしっとわらわれるわたし一家っかわらわれるわたしあざ中途ちゅうとたおはじめからなにおなああどうでもこれわたしさだ運命んめいなのかもないセリヌンティウスくれきみつでもわたしわたしきみあざむなかったち本当ほんとういちだってくら疑惑ぎわくたが宿かっいまだってきみわたし無心むしんだろうああだろうがとうセリヌンティウスくもわたしくれそれたまらないあいだ信実んじつこのばんべきたかなのからセリヌンティウスわたしきみあざつもりみじんもかっくれわたしここ濁流だくりゅう突破とっぱ山賊さんぞくかこ一気っきとうわたしから出来ああこのうえわたしのぞほうくれどうでもわたしだらしわらくれわたしちょっとくれ耳打みみうおくれ身代みがわころわたしくれ約束そくわたし卑劣ひれつれどになってわたしいるわたしくれだろうとり合点ってんわたしわらそうわたし放免ほうめんだろうそうたらわたしわたし永遠えいえん裏切うらぎりもの地上ちじょうもっ名誉いよ人種じんしゅセリヌンティウスわたしきみ一緒いっしょなせくれきみわたしくれちがいいやそれわたしとりがりああいっそ悪徳しゃわたしつじいもうと夫婦うふさかわたしからようなだろう正義いぎ信実んじつかんくだらないころ自分じぶんそれ人間にんげん世界かい定法じょうほうかっああばかばかわたしみに裏切うらぎものうとも勝手かってやんかな。――四肢とうとまどしまっ

潺々せんせんみずながそっとあたもたげあしみずいるろよろいわ裂目さけから滾々こんこんさくささやがら清水みずそのいずみようにロスかがめみず両手りょうて溜息ためからうなある肉体たい疲労ひろう恢復かいともわずかがら希望きぼううま義務遂行すいこう希望きぼうころ名誉いよ希望きぼう斜陽しゃようあか樹々とうえだえるかりかがいる日没にちぼつわたしいるしもうたが期待たいくれいるわたししんいるわたしのち問題もんだいことわたし信頼しんらいむくなけれその一事ロス

わたし信頼しんらいされいるわたし信頼しんらいされいる先刻せんこくあの悪魔くまささやあれわすしまえ五臓ごぞういるふいあんなロスおまえおまえ勇者うしゃたたはしようにありがわたし正義いぎ出来ああしずんずんしずくれウスわたしうまから正直しょうおと正直しょうおとこなせくだ

みちねとロスかぜうに野原はら酒宴しゅえんその宴席えんせきまったなか酒宴しゅえんたち仰天ぎょうてんさせ小川おがわしずゆく太陽いようじゅうばい一団いちだん旅人たびびとっとすれち瞬間しゅんかん不吉きつ会話かいわ小耳こみみ。「いまごろあのおとはり。」ああそのおとこそのおとこわたしこんなそのおとなせないロスおくれまことこそらせ風態ふうていんかどうでもロスんど裸体らたい呼吸こきゅう出来からるかさく塔楼とうろう塔楼とうろう夕陽ゆうひらきらいる

ああロスさま。」ようなかぜとも

。」ロスはしがら

フィロトスござい貴方友達ともだちセリヌンティウスさま弟子ござい。」その石工ロスはしがら。「駄目ございむだございやめくだあの出来でき。」

いやしず。」

ちょうどあの死刑とこああかっうらみもうほんのもうちょっとかっなら!」

いやしず。」ロスむねおもいであかおお夕陽ゆうひかりつめよりほか

やめくだやめくだ自分じぶんのち大事だいじあの刑場けいじょうても平気へいきおうさまさんざんあのからてもロスだけ信念んねんいる様子ようすござい。」

それからしんから問題もんだいのち問題もんだいわたしんだかっとおそおおもののフィロトス。」

ああそれひょっと。」

にやおよしず最後いご死力しりょくロスロスあたからっぽかんないわかきなきずられらゆら地平へいせんぼっさに最後いご一片いっ残光ざんこうロス疾風っぷう刑場けいじょう突入とつにゅう

ころロス約束そくおり。」大声おお刑場けいじょう群衆ぐんしゅうむかっつもりつぶれしわがかり群衆ぐんしゅう到着とうちゃくないでにはりはし高々たかセリヌンティウス徐々じょじょゆくロスそれ目撃もくげき最後いご先刻せんこく濁流だくりゅううに群衆ぐんしゅう

わたし刑吏いりころされわたしロス人質とじちわたしここいる!」かすれせいぱいさけがらいにはりだい昇りゆく両足りょうあしかじ群衆ぐんしゅうどよあっ口々ぐちセリヌンティウスほど

セリヌンティウス。」ロスみだうか。「わたしからぱいわたし途中とちゅういちきみわたしくれかったらわたしきみ抱擁ほうようする資格。」

セリヌンティウスべてさっ様子ようす首肯うなず刑場けいじょういっぱいほどロス右頬みぎほおからやさ微笑ほほ

ロスわたしおならいわたしわたしこの三日みっかあいだたったいちだけきみうたがうまめてきみうたがきみわたしくれけれわたしきみ抱擁ほうようない。」

ロスうなセリヌンティウス

がとう。」二人たり同時どうじそれからうれいおい

群衆ぐんしゅうから歔欷きょ暴君うくんディニス群衆ぐんしゅう背後いごから二人まじつめやがて二人かおあかこう

おまのぞおまわしここ信実んじけっ空虚うきょ妄想もうそうかっうかわし仲間なかくれうかわしおま仲間なかま一人。」

どっと群衆ぐんしゅうあいだ歓声かんせい

万歳ばんおうさま万歳ばん。」

少女しょうじょントロスささロスまごついきかせおしやっ

ロスきみまっだかじゃそのントこの可愛かわむすめさんロス裸体らたいたまらなく口惜くや。」

勇者うしゃどく赤面せきめん

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