杜子春

Source text: 青空文庫 Pitch accent analysis: akusento parser
Legend
Atamadaka
Heiban
Nakadaka
Odaka
Kifuku
Accent drop
Devoiced
Rules applied
* Patterns are assigned based on the lexical pitch accent.
Rendered chapter

子春しゅんからだいわ仰向あお子春しゅんましいずかからだから地獄じごくそこ

この地獄じごあいだ闇穴道あんけつどういうみちそこ年中んじゅうくらこおりうなつめかぜぴゅうぴゅう子春しゅんそのかぜかれがらうにただやがて森羅しん殿でんいう立派りっぱ御殿てん

御殿てん大勢おお子春しゅん姿がたそのまわりはしはし一人おうさままっきものかねかんむりいかたりこれうわさ閻魔んま大王だいちがあり子春しゅんなるおもがらおそそこひざま

その峨眉山さんすわ?」

閻魔んま大王だいうにからひび子春しゅん早速さっそそのといこたまたおも、「けっいう鉄冠子てっんしいまし言葉ことそこかしままおしうにする閻魔んま大王だいてつしゃげて顔中かおじゅうひげ逆立さかたがら

そのここやか返答へんとうもなければ地獄じごく呵責かしゃくくれ威丈いたけだかののし

子春しゅん相変あいかわらずちびるうごかしそれ閻魔んま大王だいども荒々あらあどもいちたちま子春しゅんがら森羅しん殿でんあが

地獄じごでもいるつるぎいけにも焦熱しょうねつ地獄いうのお極寒ごっかん地獄ごくいうこおり真暗まっならどもそういう地獄じごくかわ子春しゅんほうりこみから子春しゅん無残ざんにもつるつらぬやらのおかおれるれるやらてつやらあぶらられる毒蛇へびのう味噌れる熊鷹くまたかやら、――そのくるしみかぞ到底とうてい際限さいくらいあら責苦せめそれ子春しゅん我慢がまんじっといしまま一言とこと

これさすがどもあきしまっでしょうもういちうな森羅しん殿でんっき子春しゅんはしがら御殿てんうえ閻魔んま大王だい

この罪人ざいにんどう気色ございま言上ごんじょう

閻魔んま大王だい思案あんやがておも

このおとこ父母はは畜生道しょうどういるはずから早速さっそここ一匹いっ

たちまかぜ地獄じごくあがまたほしながようにけものがら森羅しん殿でんそのけもの子春しゅんおどおどろないありぜかそれともかたちすぼらうまかおにもわすない父母から

その峨眉山さんすわまっ白状くじょうけれ今度んどそのかた父母させ

子春しゅんこうおどされ返答へんとう

この不孝者こうものその父母くるでもそのさえ都合つごうけれ

閻魔んま大王だい森羅しん殿でんくずほどすさまわめ

どもその畜生しょしまえ

ども一斉いっせいこたがらてつあが四方かた八方はっから未練れんしゃちのめしりゅうりゅうかぜところきらわずうにうま皮肉ひにく、――畜生しょ父母にがうにみだうかままてもられほどいなな

その白状くじょう

閻魔んま大王だいおにどもにやめさせもういち子春しゅんうながそのはしたお

子春しゅん必死ひっし鉄冠子てっんし言葉ことおもがらつぶっするその殆声ほとんどはいえくらいわっ

心配しんぱいおしたちなってもまえ仕合しあわならそれ結構っこうから大王だいおっしゃても御出おい

それ母親ははおやちがあり子春しゅんわずあきそううま一匹いっから地上ちじょうままかなうにかおじっとやっ母親ははおやこんなくるしみにも息子ここおもども気色さえない大金持おおがもち御世辞おせじ貧乏人びんぼうにんない世間けんたちくらいう有難ありがこころざししょいう健気なげ決心っしんでしょう子春しゅん老人ろうじんいましわすようにそのはし両手りょうて半死はんしうまくびらはらみだおとがら、「さん一声こえさけ。…………